EATLABオープン記念 Craft Food Market を開催しました。
新元号が発表されたばかりですが、先月の3月2日(土)、平成最後の春にEATLABのオープンを記念したイベント「Craft Food Market #00」を開催しました。
あっという間にひと月が経ってしまいましたが、バタバタしていたいろいろも落ち着き、今、あらためて振り返ってみたいと思います。今回、カメラマンとして当日参加してくれた多田航くん(@w.tada)はじめ、関係者から届いたたっぷりの写真とともにお届けしますので、来られなかった方もぜひお楽しみください。
みんなが楽しい、マーケット
日中開催したのは、お酒やお野菜などの生産者さんや飲食店、器メーカーさんやマルシェバッグブランドなど、参加いただいたのはどれも“食卓まわり”のお店屋さん。
「持続可能な食文化を未来に繋ぐ」をテーマに、みなさん、地域のことやこれからの食のあり方、消費のあり方を考えながら活動をされている方ばかりが集まりました。
地元の食材を使ったお弁当やタコスは参加いただいた出店者さんにも大人気。出店側で来ているのにも関わらず、ワークショップに参加してくれた出店者さんもいました。
もちろん、もっともっと、出店者さんがワークショップに参加するような暇もないくらいの集客をしなければ、という課題はありますが、主催者、出店者、来場者、おじいさんおばあさんでも子どもたちでも、どの立場で参加した人にとっても楽しめる、“みんなが楽しいマーケットイベント”でありたいというのははじめる前からの願いでもあったので、この光景はとても嬉しいものでした。
これからの食のあり方を考えるトークセッション
夜はオープニングパーティと併せて、こらからの食のあり方を考えるトークセッションを行いました。東酒造七代目東祐輔さんと吉田酒造店六代目吉田泰之さんをゲストに迎えた1部のテーマは「持続可能な酒造り」、FAVO編集長数馬瞳さんとEVERYDENIM島田 舜介さんをゲストに迎えた2部のテーマは「食文化を支えるコミュニティ」。
FacebookではLIVE配信された動画のアーカイブが掲載されていますのでこちらもよかったら。(冒頭が切れてしまって本当に申し訳ないです)
地元での米作りが変える、お酒まわりの生態系
1部で印象的だったのが全国的な酒造りの流れとして地元のお米を使う流れがあるということ。今回登壇いただいた2つの蔵でも地元での米作りは共通するキーワードでした。
多くの日本人にとって、どこの地域にもあるお酒は、ずっとそこにあるもので、すごく日本酒が好きな人以外の人からしたら、「え、日本酒って地酒っていうくらいだし、地元のお米を使って作っているんじゃないの?」「米どころだからお酒も美味しいんでしょ?」というようなことを当たり前に思っていたかもしれません。
元々はそうだった日本酒も、兵庫県産の山田錦というお米を使った大吟醸がブームとなり、その流れは全国的にあたりまえとなっていました。
そんな日本酒の世界でも、今、地元のお米を使う、地元でも美味しいお酒を造れるようなお米を育てようとする農家さんと一体となった取り組みが広がっているのです。
吉田さんの
「農家さんとできたお酒を試飲する会をやっていて、最初はただ美味しいとしか言わなかったのに、毎年米作りを重ねていくにつれて、いろんな意見を言うようになった」
という作り手の意識の変化はとても興味深いものでした。
自分たちが作っているお米がどうやって使われて、どんな人に飲んでもらえているのか、そうした意識が次のお米作りを良いものにしようとするモチベーションとなるのかもしれません。酒蔵からはじまる取り組みが、そこに関わる蔵人や農家さん、飲み手の意識までも影響する、そんな生態系を感じずにはいられませんでした。
“おいしい”を探求する場から生まれるこれからの消費の形
2部では、こらからの食文化を支えていくコミュニティについて、南加賀地域で絶大な影響力を誇るフリーペーパーFAVOの取り組みと、食とアパレルで畑は違えど生産者と消費者の間に立つことでコミュニティとメーカーを繋ぐ珍しいブランドづくりをされているEVERYDENIMの活動についてご紹介いただきつつ、EATLABというこの場所を使って、どんなことができるか、一緒に考えていただきました。
お二方の活動や、詳細は動画でもご覧いただけたらと思うのですが、ここで出てきたキーワードとしてとても印象的だったのは、EVERYDENIM島田さんの、
「服だったら着ることで自分のスタイルや思想を示すことができるけど、食はinstagramに投稿することくらいはできるかもしれないけれど、基本的には食べたらなくなっちゃう。どうやって価値観を共有しあうのかなと思ったときに、やっぱり大事なのは“一緒に食べる場”なんじゃないかと思う。」
というお話。
FAVOさんも、“お年寄りも楽しくて、子供たちも楽しいこと”を大事にしているとおっしゃっていましたが、世代や性別で楽しみの幅を限定することなく、一緒に食べる場で食に対して共通の価値観をもつ人どうしが繋がることのできる場を、これからもっともっと作っていきたいと思ったのでした。
#00から#01へ。
今回の、Craft Food Market を #00 としたのは、オープニング記念でありながらも、これからもこのイベントをEATLAB発の文化として育てていきたいから。
#00 だからこその課題や反省点も多々ありました。よかったところも今回課題として上がったところも、ブラッシュアップして #01 に繋げていきたい。
#01のお知らせは来月くらいにできたらと思っていますのでお楽しみに。
※今回のイベントは、クラウドファンディングで目指したNEXTGOALでご支援いただいた皆様のおかげで開催することができました。たくさんのご支援、ありがとうございました。